大人の自閉症スペクトラム障害の年代別の症状の特徴をチェック!
大人の自閉症スペクトラム障害のとらえ方
大人の自閉症スペクトラム障害は、社会性やコミュニケーション能力の欠如を特徴とする発達障害のひとつです。以前は、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害など、同じ自閉症の中でも細かく分類されていました。しかし、それらの診断にはっきりとした境界線を引くことは難しく、2013年に細かい分類をなくし、自閉症の仲間を「自閉症スペクトラム障害」という診断名に統合されました。
自閉症スペクトラム障害が発覚する年齢
自閉症スペクトラム障害を含む発達障害は、発達の遅れや症状が重度であれば1歳までに発覚することもありますが、一般的には1~2歳の間に発覚します。
発達障害に気づくきっかけとなるのは、主に乳幼児健診です。1歳半や3歳に行われる検診では、体や言葉の発達が順調かどうかを確認するため、ここで言葉の遅れなどを指摘され発覚するケースが少なくありません。しかし、気づくタイミングは、子どもの状態や症状の重さによっても差があるため、中には、大人になってから発覚することもあります。
自閉症スペクトラム障害の主な症状
- 社会性対人関係の障害
- 言葉の発達やコミュニケーションの問題
- 興味や行動の方より
- 感覚のアンバランスさ
年代別の症状の特徴をチェック
自閉症スペクトラム障害の症状の特徴は、成長過程や環境の変化などによっても変わります。年代別に現れやすい特徴をみてチェックしてみましょう。
【乳幼児期】
- 生後6か月を過ぎても目を合わせない
- 生後10か月頃になっても呼びかけに反応しない
- 抱っこを嫌がる
- 一人で放っていても泣かない(寂しがらない)
- 泣いたり笑ったりしない
- 言葉が出ない、話さない
- かんしゃくを起こす
- 決まった遊びだけを繰り返す
- つま先立ちで歩く
【児童期】
- 集団行動を嫌い、一人でいることを好む
- 自分のルールを好み、臨機応変に対応できない
- 「どうして」「どのように」といった説明がうまくできない
【思春期】
- 抑揚のない不自然な話し方が目立つ
- 相手の気持ちをうまく読み取れない
- 雑談が苦手
- 興味のあることにとことん没頭する
【大人】
- 社会での暗黙のルールがわからない
- 仕事の予定や計画に臨機応変に対応できない
- チームでの連携作業がうまくできない
- 場の空気が読めない
- 「適当に」「いい感じに」といった曖昧な指示が苦手
- 興味のあることにとことん没頭する
自閉症スペクトラム障害を診断してもらうには
自分が自閉症スペクトラム障害などの発達障害かもしれないと疑問を持った場合、いきなり自分で医療機関を探すのが難しいこともあります。まずは無料で相談できる地域の専門機関に行くとよいでしょう。大人の場合、地域の専門機関には「発達障害者支援センター」や「障害者就業・生活支援センター」「相談支援事業所」などがあります。