大人の自閉症-症状チェックリストと仕事の選び方

大人の自閉症に関する情報と社会で上手くやっていくため方法を書いていきます。

自閉症スペクトラム障害はどのような症状?

自閉症スペクトラム障害とは

自閉症スペクトラム障害というのは、ある特定の障害を指しているわけではなく、大人の発達障害をもつ人の多くは、複数の障害を併せもっています。複数の障害の度合いもさまざまですが、このように複数の障害が連なっている状態を「自閉症スペクトラム障害」といいます。

 

高機能自閉症」と「アスペルガー症候群

自閉症スペクトラム障害のなかで主なものに「高機能自閉症」と「アスペルガー症候群」という発達障害があります。

 

高機能自閉症は、他者と上手く人間関係を結ぶことに困難があります。他者には「空気が読めない人」「ちょっと変わった人」という印象を与えやすいです。また、言葉の発達に遅れがあるため、流暢に話をすることができず、コミュニケーションが上手くとれない、強い興味やこだわりがあるといった特徴もあります。

 

アスペルガー症候群は、高機能自閉症のうち、言葉の発達に遅れがない状態を指します。知的な遅れがなく、むしろ知的レベルも高いのですが、「社会性の欠如」「コミュニケーション能力の欠如」「こだわりが強い」などの特徴があるため、言葉の発達に遅れがなくても、他者とうまく付き合うことができないことがあります。

 

自閉症スペクトラム障害の人の会話の特徴

重度の人の場合、他者との会話をする際、自分の好きなことや興味のあることなど「自分の世界のこと」をいくら時間があっても足りないくらい話します。興味を持ってくれいて話を聞いてくれているときはいいのですが、お互いに会話をしているときに、相手が話題にしていることから思いっきり離れた「自分の世界のこと」を一方的に話し始めてしまうことがあります。気づかないうちに、どんどん話題が脱線していくのです。

 

自閉症スペクトラム障害と社会の壁

自閉症スペクトラム障害の人は、大人になって社会に出たとき、職場の人と上手く人間関係を築き上げていくことが出来なかったり、主婦であれば、地域や子どもの学校関係の人たちと上手くコミュニケーションがとれなかったりします。そのため、「大人としてふさわしくない」行動をとってしまうことがあります。

ストレスを感じやすい

自閉症スペクトラム障害の人は、人づきあいが苦手だったり、仕事が上手くできなかったりするためストレスを感じることが多々あり、そのストレスが体調悪化につながることもあります。

しかし、集中できる環境があれば、質のいい仕事を行うことができます。自閉症スペクトラム障害のひとは、同時進行で作業を行うことが苦手で、そういった状況になるとパニックになってしまうこともあり、頭が真っ白になって動けなくなり、軽いうつ状態になる人もいます。同時進行が苦手でも、作業の手順が一つずつ明確に理解すれば、作業を行うことはできますし、集中して作業をすることがでいます。

顔の認識が難しい

自閉症スペクトラム障害の人の中には、2~3ヶ月に1度くらいの頻度で、配偶者の顔がわからなくなる人もいます。他人の表情や顔を認識するのが難しい人や、人の顔を覚えられない人がいるのです。毎日会っているのに、服装が違うだけで同じ人だと認識できなくなることもあります。

複数の困難さをもっている

自閉症スペクトラム障害の人の中には、感覚が敏感な人もいます。皮膚感覚が過敏の人は、着替えを嫌がったり、体温調節がうまくできなかったり。音に過敏な人は、繁華街でパニックになったり。微妙な味覚の差異がわかるほど味覚に敏感な人もいます。これはほんの一例で、過敏さの種類も度合いも人それぞれで、さまざまな困難さを持っています。

体を動かすのが不器用

食事の準備は片付けのときに、お皿をわってしまったり、洗濯物をうまくたたむことができなかったり、読みやすい文字を書けなかったり、平板な道でも頻繁につまずいたりころんだりするなど、自閉症スペクトラム障害の人の中には、体を動かすときに、頭で考えている動きと、実際の動きがうまく一致しない人がいます。

発達障害ではない人の中にも、体を動かすことが不器用な人はいるかと思いますが、自閉症スペクトラム障害の人はそれが独特なのです。どこまでが自分の体で、どこからが自分の体とは切り離されている物体なのか認識が難しいのです。

体温調整が苦手

自閉症スペクトラム障害の人の中には、体温調整や外気温を感じ取ることが苦手な人がいます。暑い夏に冬用の布団をかけたり、冬なのに薄手のシャツを着たり、短パンで過ごします。このような人は、発汗が上手く機能しないために体温調節ができず、熱さや寒さという感覚を感じにくいのです。そのため、天候や気候、環境にふさわしくない服装をしてしまうことがあります。